私たちSTUDIO D’ARTISANは今から約45年前、
日本が大量生産と効率性を追求し、
大量消費を促進する時代に、
あえてその流れに真っ向から「NO」を突きつけ、
旧式の力織機による
セルヴィッジデニムを使った
ジーンズを作り続けてきました。
今日では、ヴィンテージレプリカジーンズという
文化やシーンが成熟し、
旧式の力織機を用いたジーンズ製造は
さほど珍しくなくなってきましたが、
私たちが追求するデニム作りの本質は、
単に古い機械を使うことだけではありません。
STUDIO D’ARTISANが真に大切にしているのは、
デニムが持つ独特の
経年変化から生み出される美しさと、
そこから生まれる「普遍的な価値」を
創造することにあります。

デニムは、着用する人のライフスタイルや
動きに応じて徐々に変化し、
年月を重ねることで
唯一無二の風合いを持つようになります。
STUDIO D’ARTISANのデニムは
その変化を最大限に引き出し、
時代を超えて愛され続ける
一着を生み出すことを目指しています。
それは、単なる「衣服」を超えて、
人生に寄り添い、共に時を刻む
「相棒」として存在するジーンズを提供する。
STUDIO D’ARTISANの
揺るぎない信念によるものです。

STUDIO D’ARTISANが創業した当初から
目指してきたのは、
理想的なデニムを作り上げることでした。
そのため、まずは原料となる
綿の選定から始めました。
ヴィンテージデニムが持つ独特の風合いや、
縦落ちの美しさを徹底的に研究し、
自分たちの理想とする糸に
反映させることに挑戦したのです。
特に糸の形状には強いこだわりを持ち、
求めるムラ感を再現するために、
米綿の茶綿を厳選しました。
茶綿を用いることで糸に強弱をつけ、
独特のザラつきとシャリ感を持たせています。
この結果、自然で不均一な形状を持つ
オリジナルの糸を完成させました。
STUDIO D’ARTISANのデニム作りは、
原料の選定から糸の生成、織り上げまで、
あらゆる工程にこだわり抜いています。

STUDIO D’ARTISANの『100番台』デニムは、
濃淡がはっきりとした
ヴィンテージ感のある色落ちが特徴的です。
この色落ちは、経糸に使用される茶綿と、
最高濃度で染め上げられた
ピュアインディゴのカラーが見事に調和し、
独特な黒みを帯びた奥行きのある
インディゴブルーを生み出しています。
この独特な色合いを実現するために、
ロープ染色という技法を用いています。

ロープ染色では、糸を何度も染液に漬けては
引き上げる作業を繰り返すことで、
深みのあるインディゴブルーへと
生まれ変わります。
この工程を経て、私たちの目指す
最濃度のインディゴブルーが完成します。
その特有の経年変化もまた、
長く愛され続ける理由の一つとなっているのです。

『100番台』デニムは、
1970年代に株式会社豊田自動織機が製造した
G型自動織機『GL-9』によって
織り上げられています。
この織機は、時代の流れとともに
生産が終了しているがために、
新しい交換パーツは存在しません。
そのため、他の廃棄された同型機から
部品を取り出し、稼働中の壊れた部分を
修理・交換するしかないのが現状です。
このような古い機械を維持するためには、
常に熟練した職人による
細やかなメンテナンスが欠かせません。
『GL-9』織機の生産効率は、
現在の主流である革新織機と比べて
3分の1以下という低さです。
しかしながら、この織機でしか生み出せない
独特の風合いはSTUDIO D’ARTISANのモノ作りには
絶対に欠かすことのできない存在です。
熟練した職人の技で糸本来の質感やムラ感、
生地に独特の凹凸感を与え、
唯一無二の個性を持つ
デニムを完成させることができます。

STUDIO D’ARTISANのデニムは、
古い織機と職人技の結晶によって生まれ、
現代の大量生産にはない
特別な風合いと個性を持つ商品として、
皆様に今後も長く愛され続ける事を願っています。

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