今でこそヴィンテージと呼ばれ、

様々なブランドがデザインソースに用いる

1960年代以前のカットソー。

これらは「吊り編み機」と呼ばれる編み機で

編み立てられた生地を使い、製造されていたものです。

 

 

1900年代初頭、ヨーロッパより

日本の和歌山へ導入された吊り編み機は、

操る職人たちによって改良を加えられ

独自の発展を遂げました。

最盛期は和歌山だけで

数千台の吊り編み機が稼働していたとされています。

 

その後、1970年代に入ると高速生産が可能な

「シンカー編み機」の登場により、

吊り編み機は時代遅れという扱いを受けます。

1時間の稼働で1ｍの生地を編み立てるのがやっと、

という吊り編み機よりも

高速かつ大量に編むことができる

シンカー編み機の生産効率の良さに

「大量生産」「大量消費」という

当時の世相も味方しました。

しかし、その随一の風合いと圧倒的なタフネスを誇る

吊り編みは長年そのファンを増やし続け、

今では最も高品質な生地の1つであるとされ、

世界中で愛されています。

 

 

現在では和歌山のごく限られた工場でしか稼働していない

「吊り編み機」。

ダルチザンでは吊り編みの生地を使用したアイテムを

毎シーズン送り出し、

お客様からご好評いただいております。

 

 

 

 

肉厚だけど柔らかという、

相反する質感を併せ持つ吊り編み生地。

　上から吊るし、空気を含ませる様に

編まれた生地は、網目にゆとりがあるため

　着る人の体型に馴染みやすく、

洗濯を繰り返しても硬くなりにくいという

特性はこの編み方に拠るもの。

「生地が生きている」とは職人さんの談。

 着れば着るほどにその人の体型に馴染み、

世界で一着だけのカットソーが出来上がります。

 

この吊り編みを用いたアイテムの中でも、

とりわけその肌触り・着心地から多くの人を夢中にさせる

シリーズがあります。

 

世界最高の超長綿インド原産の“スジャータ綿”と

カリブ海の島国である

セントビンセントで栽培されている

“海島綿”との交種で、

現在はインド南部のタミルナードゥ州でのみ栽培されている

最高峰・最高級の綿、

スヴィンゴールド綿を使用した糸を

吊り編み機に掛けて作った

スヴィンゴールドシリーズです。

 

 

 

スヴィンゴールド綿は

原綿に蝋綿と脂肪分の含有分が多く、

独特のぬめり感を持ち、

繰り返しの洗濯にも、

容易に風合いの変化を起こしません。

繊度が細く、蝋分の多さからくる

上品な光沢は他にはない高級感を放ちます。

年間で1,500～2,000表しか生産されず、

コットンでありながら絹のような光沢と

カシミアのような肌触りを持つ、

たいへん稀少価値の高い最高級綿です。

 

このスヴィンゴールド綿から紡いだ糸を惜しみなく使用し、

吊り編み機に掛けて製作したパーカとスウェットは

毎年多くの人を虜にしています。

 

 

スヴィンゴールド吊り編みパーカー【9886】

https://www.dartisan-onlineshop.com/SHOP/9886.html

 

 

スヴィンゴールド吊り編みトレーナー【9885】

https://www.dartisan-onlineshop.com/SHOP/9885.html

 

 

 

気になる共通のディテールをチェックしていきましょう。

 

　　　↑襟元のガゼット。

ガゼットとは、三角型に切り抜いたリブ素材を

そのまま襟にはめ込んだデザインで、

約1930年代～約1950年代に使用された

ヴィンテージ特有のディティールです。

ガゼットを両方取り付けたものを『両V』、

前のみを『前V』と言われ、縮み防止や汗止め、

可動域を広げるために使用されたデザインと言われています。

 

 

↑2本針で取り付けられた袖のリブ。

一般的に長ければ長いほど年代的に古いとされるヴィンテージの特徴で、

もちろん当商品も長くとり、冷たい風から守り、

暖かさを逃がさない作りにしています。

 

 

↑暖かさ抜群の裏起毛。

冬に着用するカットソーにおいて重要なポイントである裏側の起毛。

スヴィンゴールド綿を起毛させているので抜群に肌ざわりがなめらかで暖かく、

洗って乾燥しても風合いと着心地が変わりません。

 

 

毎年入荷の度にいつの間にか無くなっているこのシリーズ。

この冬は寒くなるタイミングがつかめず、

必要なときにこういったカットソーがあるのと無いのとでは大違い。

ヴィンテージのスウェットからサンプリングした色目は

所有欲も十分に満たしてくれるでしょう。

 

新色のモクネイビーカラーと合わせて、

これまで着たことが無いという方はもちろん、

そうでない方も

是非手に取っていただきたい逸品です。